医師国家試験問題

生涯研修医を目指して医師国家試験問題に学ぼう

急性肝炎・慢性肝炎

急性肝炎・慢性肝炎の国試問題

 

111D31 55歳女性、RAの治療のために来院。肝機能に異常を認めない。Hbs抗原陰性、Hbs抗体陰性、抗リウマチ薬の投与前に確認すべきは?

  ※これは重要な問題である

   HBV感染後に自然治癒または治療によりHbs抗原が陰性を示す症例が多い。しかし、時に肝臓組織のHBV-DNAは陽性を示すことがあり(血液検査でのHBV-DNAは微量で検出されないこともある。つまり肝臓にしぶとく潜んでいるのです)それが抗癌剤や免疫抑制剤で肝炎の再燃により重症化する。(de novo B型肝炎)。そのためにもHbc抗体を測定することが必要

112A50  55歳男性。母親と兄がBウイルス肝炎キャリアー。潰瘍性大腸炎の治療中に黄疸、1年前はHbs抗原は陰性だったが、⇒ Hbs抗原を再度チェック

112B34 鹿の生食後の急性肝炎 ⇒ E型肝炎 ⇒ 安静を指示

112F58 C型肝炎針刺し事故 ⇒ 定期的な肝機能・HCV抗体・HCV-RNA抗体の検査

115D68  2年前にC型慢性肝炎に対して経口薬による抗ウイルス療法を受けHCV-RNAが陰性化したが、肝細胞癌発症のリスクが高いと判断された。肝機能検査とともに定期的に行うべきは? ⇒ 腹部エコーと腫瘍マーカー

116A14 病原体と疾患の組み合わせ ⇒ C型肝炎ウイルス---肝細胞癌
116A55 B型肝炎患者の採血中の針刺し事故(患者抗原陽性・医療職抗体陰性)
     ⇒
HBワクチン及び抗HBsヒト免疫グロブリンの投与
118A35 
C型肝炎の治療薬 

    ⇒直接作用型抗ウイルス薬;DAA(Direct Acting Antiviral)
  

最近、肝炎の問題がめっきり減少しています。理由としては毎年のように次々と新しい治療薬が開発され、また検査法なども刻々変化していて、問題作成が時代に追いて行けてなないせいかと思っています